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土曜8時の争い

近年は趣味の多様化や夜になっても営業しているお店なども多くなったため、昔ほど「夜は家でテレビを見る」人は多くはありませんが、それでも1日の中から見るとゴールデンタイムのテレビ視聴率は70%あり、3人に2人はテレビを見ていることになります。そのゴールデンタイムの中でも、土日はテレビを見ている人も多く、特に土曜8時の時間帯は慣習的に熾烈な視聴率争いが繰り広げられています。

土曜8時の視聴率争いを取り上げる理由

数ある時間帯の中で、土曜8時だけがことさら大きく取り上げられるのは、この時間の視聴率争いが多くの人の印象に残っているからです。現在の土曜8時は、日テレの「世界一受けたい授業」とフジテレビの「めちゃ×2イケてるッ!」、そしてテレビ東京の「土曜スペシャル(19時からの継続放送)」が拮抗しており、これはこれで熾烈な視聴率争いになっていますが、かつては今の若い人は話しか知らないと思われる視聴率争いが繰り広げられていたのです。

土曜8時の怪物番組

 

昭和40年代から50年代にかけては、土曜の夜8時と言えばテレビ番組は決まっていたようなものです。リアルで見ていた人もいるでしょうし、そうでない人も名前だけはまず知っているであろうあの「8時だョ!全員集合」です。内容は、ドリフターズが大きな会館などで繰り広げる公開舞台コントを生放送するというものですが、ドリフターズ人気が大きく、また、毎週登場するゲストが今では考えられないほど豪華だったことから視聴率はものすごく高く、常時25%以上をキープ、最高視聴率は50%を超えるほどでした。まあ、その前の7時から放送していた「まんが日本むかしばなし」「クイズダービー」の人気も高かったですから、その相乗効果もあったでしょう。現在、視聴率争いで苦戦を強いられているTBSが最も輝いていた時期と言ってもいいかもしれません。昭和50年頃は今ほど娯楽も多くなく、土曜日の夜は家でゆっくりテレビを見るのが娯楽のメインでしたから、この時間帯の高視聴率はどのテレビ局にとってものどから手が出るほど欲しいものです。しかし、この怪物番組の存在があることで、どのテレビ局も「打倒!ドリフ」を合言葉に番組を作っていましたが、人気絶頂のドリフにかなうものは現れず、長い間「8時だョ!全員集合」の天下が続いていました。ドリフに対抗しうる唯一の番組はプロ野球中継ですが、これは春から秋にかけてしか放送できません。それに、お父さんが野球見たくても子供とお母さんはドリフ見たいですし、当時は一家にテレビ1台が普通でしたからチャンネル争いに勝てないお父さんは野球を見れないことも多かった(それはうちの話ですけど)のです。「暴れん坊将軍」などの時代劇も土曜8時に放送されていましたが、これも同様の理由でお父さんが見ることができず、結局視聴率でドリフを打倒しうるものは中々登場しませんでした。

新たな土曜8時の怪物番組の登場

 

テレビを各家庭が複数台所有する時代になり、ようやくお父さんも気兼ねなくプロ野球中継や時代劇を見れるようになりました。しかし、それは野球中継や時代劇の視聴率が上がっただけで、ドリフの視聴率が下がったわけではありませんでした。まだまだドリフの時代は続いていたのです。ところが、昭和56年に、そのドリフの存在を脅かす番組が登場します。「オレたちひょうきん族」です。当時はMANZAIブームが世の中に沸き起こっていました。ちなみに、現在もテレビで活躍中の北野武氏や明石家さんま氏、片岡鶴太郎氏や島田紳助氏などはこのMANZAIブームで登場しています。そして、これらのMANZAIブームの立役者たちを揃えたバラエティ番組がフジテレビでスタートしたのです。元々ひょうきん族は「ドリフから視聴率を奪え!」と命令されて作られたものではなく、純粋に「見て面白いテレビ番組を作ろう」といった理由で作られ始めたものですが、その番組作りに対する情熱が視聴者の心を捉え、回を重ねるごとに人気が上がっていきます。加えて、ドリフのコントのマンネリ化や時代にそぐわない形式にこだわったことにより、ドリフの視聴率は徐々に低下、ついにひょうきん族は土曜8時のドリフをトップから引きずりおろし、頂点に君臨することになりました。天下を譲り渡したドリフは、その後特に話題にされることもなく、ひっそりと番組終了しています。

ひょうきん族は3日天下

 

10年以上にも渡って土曜8時のテレビを独占していた「8時だョ!全員集合」を終了に追い込んだひょうきん族の勢いはとどまるところを知らず、しばらくはひょうきん族の天下が続くのかと思われましたが、ひょうきん族もすぐその立場を追われ、終了を迎えることになります。そのひょうきん族を終了に追い込んだのは、全員集合の後番組である「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」です。これは、ドリフターズの中でも子供たちに特に人気のあった加藤茶氏と志村けん氏の2人で行っていたバラエティ番組で、基本的な内容は全員集合と大して違いはなかったのですが、今では普通に行われている「読者投稿おもしろビデオコーナー」なるものがうけ、人気を高めていきます。加えて、ひょうきん族のパワーがなくなったこともあり、視聴率は再び逆転、今度は逆にひょうきん族が番組終了に追い込まれます。全員集合が終了してからわずか4年後のことでした。

延々と続く土曜8時の視聴率争い

 

しかし、その加トちゃんケンちゃんも、フジテレビの「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」と、いきなり土曜8時の視聴率争いに参入してきた日本テレビの「マジカル頭脳パワー!!」に追い落とされ、番組終了に追い込まれます。そして、これらの番組もその後登場する番組にどんどん視聴率を奪われて終了に追い込まれていきます。まあ、バラエティ番組というのはその時代その時代でウケる要素が変わってきますから、時代とともに終焉を迎えるのもいたし方ありませんが、その中でも一番安定していると思われるテレビ朝日の時代劇シリーズですらも土曜8時を追われ、他の時間帯に移動させられています。その後、紆余曲折を経て現在の状況に至っているわけですが、先ほど述べたようにどの番組もシェアを独占するにまでは至っておらず、微妙なバランスの上に番組が放送されています。果たして、土曜8時という重要な時間帯は今後どうなるのでしょうか。どこかの番組が一気にシェアを独占することになるのでしょうか、それともこの状態が延々と続いていくのか気になります。



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